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かせいたんけん
火星探険
海野 十三
「サイエンス」1945(昭和20)年12月~1946(昭和21)年11月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 77,522 字 · 155 页
「……へ、へんな動物が見えます。沙漠の向うの、正面の密林の中です」
山木はこのとき漸く吾れに帰って、火星の動物を発見したことにつき、第一報を叫んだのである。
「なに、へんな動物だって……」
デニー博士が、山木のうしろに近よった。山木は、テレビ見張器の映写幕の上を指した。
「あ、これか。いたな。やっぱりそうだったか。これはなかなか油断が出来ないぞ。相手はわれわれよりも相当に高級な身体を持っている……」
デニー博士は、一大感心の有様で、木の間にうごめく生物を見つめた。
「先生、あれは何んという動物ですか。蛸みたいですが、蛸なら林の中にいるのはおかしいですね」
山木は、そういいながら博士の方をふりかえった。
「あれは蛸ではない。あれは多分、火星人だろうと思う」
「ええっ、火星人。あれが火星の人間なんですか」
「うん。まずそれに違いないであろうね。こうして見たところ、身体の工合が、わしがこれまでに研究し、想像していたところとよく一致しているからねえ」
「へえーっ。あれが火星人だとすると、火星人て気持が悪いものですね。僕はやっぱり地球の上と同じような人間が住んでいることと思っていましたが……」