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かせいたんけん

火星探険

海野 十三

「サイエンス」1945(昭和20)年12月~1946(昭和21)年11月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 77,522 字 · 155 页

青空文庫

火星人の群から、きゃんきゃんと、奇妙な笑声がまきおこった。

沙漠に、たくみな落し穴がこしらえてあったのだ。そうとは知らず、河合は箱自動車をすっとばして、穴の中へ落ちこんだのだ。

形勢は急に不利となった。ただ幸いなことに河合も山木も、おでこに瘤をこしらえたぐらいのことで、生命に別条はなく、一方、張もネッドも、すぐ砂の中からはい出した。

だが、皆の顔色はすっかり変っていた。頼みに思う箱自動車が穴ぼこの中に落ちてしまったのでは、これからてくてく歩くしかないのだ。それはずいぶん心細いことであった。

「どうしたらいいだろうか」

「困ったねえ」

と、張とネッドが顔を見合わせて、今にも泣き出しそうだ。

「おい河合、どうしたらいい」

山木に呼ばれた河合は、落とし穴へもぐりこんで車体をしらべていた。

「おーい、皆安心しろ。車は大丈夫だぞ」

「だって河合。車がいくら大丈夫でも、穴ぼこの中にえんこしていたんじゃ仕様がないじゃないか。役に立ちゃしないもの」

「ううん、大丈夫。皆、手を貸せよ。車をこの穴ぼこから上へひっぱりあげればいいんだよ」

「なんだって。穴ぼこから、車をひっぱりあげるって。