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かせいたんけん
火星探険
海野 十三
「サイエンス」1945(昭和20)年12月~1946(昭和21)年11月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 77,522 字 · 155 页
そんなことが出来るものか。ぼくたちは子供ばかりだし、自動車は重いし、とてもだめだよ」
ネッドがそういって肩をすくめた。
「大丈夫、もちあがるよ。ぐずぐずしていないで、皆穴の中へ下りて来て、手を貸した。さあ早く、早く」
張とネッドと山木は、河合のことばを信じかねたが、しかし河合がしきりに急がせるのでしぶしぶ穴の中へ下りた。
「さあ、こっちから押すんだぞ。一チ、二イ、三ン。そら、よいしょ」
「よいしょ、おやァ……」
「よいしょ、よいしょ」
意外にも、箱自動車は動き出して、穴の斜面をゆらゆらとゆれながら上へ押しあげられて行った。やがて、ちゃんと元の沙漠へ自動車はあがった。
「変だね。この自動車はなんて軽くなったんだろう」
「それはそのわけさ。さっきもいったろう。火星の上では、地球の場合にくらべて重力は約三分の一なんだ。だからなんでも重さが三分の一に感じられるんだよ」
「へえ、そうかね」
あとの三人は目を丸くした。
「まだ信じられないんなら、ためしに大地をけって、ぴょんぴょんととびあがってごらん。びっくりするほど高くとべるから」
河合がそういったので、一番茶目助のネッドが、早速ぴょんととびあがった。