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かせいたんけん
火星探険
海野 十三
「サイエンス」1945(昭和20)年12月~1946(昭和21)年11月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 77,522 字 · 155 页
山木も張もネッドも、ほっと一息ついた。
トロイメライの音楽が、軽快なワルツにかわった。
「さあ踊ろうや。ぼくたちの仕事だ」
ネッドは張を引張りだして踊りはじめた。すると、さっきからすっかり温和しくなったブブンもそれを真似して踊りだした。そのうしろにいたたくさんの火星人群も、また共にワルツの曲に合わせて舞いはじめた。
河合が、こっちの険悪な場面を心配して、思い切ってまた音楽を始めたことがたいへんよかったのである。
山木とギネの間には、打合わせがどんどん進んで、デニー博士をギネたちがおだやかに訪問してくる申合わせもついた。
音楽にあわせて火星人の舞踊はだんだんにぎやかになって行き、音声を発して踊り回る姿はまことに天真らんまんであった。
四少年と火星人の交歓は、ますますうまく行って、牛乳配達車のまわりには火星人がいっぱい集って来た。そしてその横腹に書かれた牝牛の絵を指して、ものめずらしげに打ち興じるのであった。牛は火星にはすんでいないのだ。いや牛ばかりではない。馬も羊も鹿も見たことがないのだった。
火星での大きな動物といえば、蛙にちょっと似た動物が居るきりだった。