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かせいたんけん
火星探険
海野 十三
「サイエンス」1945(昭和20)年12月~1946(昭和21)年11月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 77,522 字 · 155 页
それからはとんとん拍子に行った。ギネの好意で、火星政府もエンジンを貸すことを承諾し、火星人の技術団をつけて地球まで行かせることにしてくれた。但しこのエンジンの秘密は当分地球人には公開されないことを一つの条件として……。
それから半年の後、地球人と火星人の合作による新宇宙艇の建造はめでたく完成した。この新艇には“太陽の子”という名前がつけられた。火星も地球も共に太陽の子であるという意味を含めたもので、同じく太陽の子である以上、仲よくしましょうという平和精神が盛られてあるのだった。
試運転も地球人と火星人の協力でうまく行った。そして一ヶ月後に、地球帰還の用意万端は成り、いよいよ“太陽の子”号は、はなばなしく初航空の旅についた。地上からは火星人たちの盛んな見送りがあり、艇からはデニー博士一行と、地球訪問の火星人使節団と技術団とが手を握り、触手を動かして挨拶をかわした。こうしてめでたい地球人と火星人との協力による宇宙旅行が始まったのであった。
デニー博士が調査作製した宇宙航路によって、“太陽の子”号は最も条件のよい航路を選び、地球へ近づいて行った。そしてわずか十五日で、その航路を突破した。