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かせいたんけん
火星探険
海野 十三
「サイエンス」1945(昭和20)年12月~1946(昭和21)年11月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 77,522 字 · 155 页
河合がいった。
「そうだ。そうだ。それはいいことだ」
「何でもします。お料理なら自信があります」
と、張が前へのりだした。
「僕は何をしようかなあ。ボーイさんの代りをやりましょう」
これを聞いてマートン技師はたいへんよろこんだ。全く、本艇は十数名しか乗組んでいないので、手不足で困っているのだった。
マートン技師は早速このことを艇長デニー先生のところへ持っていった。先生は、お前に委せるといわれた。そこでマートンはいろいろの人にたずねてみた結果、張は料理人に、ネッドはボーイに、それから河合はマートンといっしょにエンジンの方を手伝い、山木は隊長デニー博士のところで雑用をすることに決った。そこで四少年は、
「それじゃ、めいめいの持場で、しっかり役に立とうね。しっけい」
と挨拶して、たがいに一時別れたのであった。
さて、そういう間も、一番たいへんなのは機関室であった。マートン技師のあとについてその室へとびこんだ河合少年は、そのとたんに心臓が停まる程のおどろきにぶつかった。機関室は二階から地下十階までの十二階をぶっ通した煙突のような部屋だった。その艇長の部屋に、複雑な機械が幾重にも重なりあい、大小さまざまのパイプは魚の腸の如くに見え、紫色に光る放電管、白熱する水銀灯、呻る変圧器などが目をうばい耳をそばだてさせる。