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かせいたんけん
火星探険
海野 十三
「サイエンス」1945(昭和20)年12月~1946(昭和21)年11月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 77,522 字 · 155 页
折からマートン技師が入ってきた。彼もまた無事だったが、衣服は油ですっかり汚れ切っていた。またエンジンと組打をやって大奮闘をしたのであろう。
「おお、皆無事だったな。見たかね、火星の表面を。宇宙塵圏を通り抜けたので、今はすっかり晴れて、火星の表面がよく見えるよ。火星の運河というのを知っているね。あれもちゃんと見えるよ。さあ早く、展望室へ行ってごらん」
そういわれて、四少年は飛出していった。そして展望台へ駆けのぼった。
おお、見える見える。火星の表面が明るく見える。火星の昼なんだ。それはもう地球を上空から見下ろすのと大差はなかった。
緑色の長い条が、蜘蛛の巣のように走っている。あれが火星の運河にちがいない。
が、それは運河ではなさそうだ。まだはっきりはしないが、何だか森林が直線状に続いているように見える。
火星の陸地は、褐色であった。やはり土があると見える。
海らしいものも見える。しかし地球の大洋を見なれた目には、あまりに小さい海だ。まるで湖のように見える。
一体本艇は、どのへんに着陸するのであろうか。火星の生物は、本艇をもう見つけているだろうか。どこかに火星の生物の飛んでいる姿は見えないであろうか。