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かやくせん
火薬船
海野 十三
「大日本青年」(「浪立つ極東航路」のタイトルで。)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 61,552 字 · 124 页
竹見は、うーんと一声呻って、ふかくにも、その場にどうと倒れて、気をうしなってしまった。
ほど経て、竹見が、再び意識をとりもどして、その場にむっくり起きあがったとき、彼は、ハルクが、ついに自ら、片脚を見事に切断しているのを発見して、愕きもしたし、また感歎もした。
ハルクは、血の海の中に、うつ伏せとなり、水兵ナイフをそこへ放りだしたまま、虫の息となっていた。おそるべき大力だった。おどろくべき気力であった。何をどうしたのか詳かではないが、蛇毒をうけて瀕死のハルクは、ついに自らの手で、自分の太ももを切断することに成功したのだ。
竹見ほどの豪胆者も、この場の光景を見たときに、なにかしら、じーんと頭のしんにひびいた。
死力
ハルクの呼吸は、発動機船のように、はやい。
「おい、ハルク。しっかりしろ」
竹見が、いくど声をかけても、ハルクはもう、一語も返事をしなかった。
ハルクを抱きおこして、その口にブランデーを注ぎこんでやろうとしたが、ハルクは歯をくいしばって、口をひらかなかった。彼の顔面は、紙のように蒼白になっていた。
「おい、ハルク。死ぬな。死んじゃ、いけないぞ。