轻松读懂日语经典作品
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てんきぼ
点鬼簿
母亲是狂人,我从未感受过她的温暖。她死前那晚,我们赶去芝区,她却突然睁眼说话,让人又悲又笑。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 4,345 字 · 9 页
僕の家の仏壇には未だに「初ちゃん」の写真が一枚小さい額縁の中にはいっている。初ちゃんは少しもか弱そうではない。小さい笑窪のある両頬なども熟した杏のようにまるまるしている。………
僕の父や母の愛を一番余計に受けたものは何と云っても「初ちゃん」である。「初ちゃん」は芝の新銭座からわざわざ築地のサンマアズ夫人の幼稚園か何かへ通っていた。が、土曜から日曜へかけては必ず僕の母の家へ――本所の芥川家へ泊りに行った。「初ちゃん」はこう云う外出の時にはまだ明治二十年代でも今めかしい洋服を着ていたのであろう。僕は小学校へ通っていた頃、「初ちゃん」の着物の端巾を貰い、ゴム人形に着せたのを覚えている。その又端巾は言い合せたように細かい花や楽器を散らした舶来のキャラコばかりだった。
或春先の日曜の午後、「初ちゃん」は庭を歩きながら、座敷にいる伯母に声をかけた。(僕は勿論この時の姉も洋服を着ていたように想像している。)
「伯母さん、これは何と云う樹?」
「どの樹?」
「この莟のある樹。」
僕の母の実家の庭には背の低い木瓜の樹が一株、古井戸へ枝を垂らしていた。髪をお下げにした「初ちゃん」