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ほのおのなかにうたう

焔の中に歌う

野村 胡堂

「文芸倶楽部」1928(昭和3)年10月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 13,476 字 · 27 页

青空文庫

、老いたる異性の屍を眺めて、何時まで禁園の果物としての誇を保って行かれる積りですか」

「…………」

「私は今日という今日、最後のお返事を伺う為に、あなたに夢中になって居る一団の若い人達を代表してやって来たのです」

「マア……」

「お驚きになるには及びません、私は、イヤ私共は、もう我慢が出来なくなったのです……お客のある席で、こんな事を申しては、誠に済みません、無礼は百も承知して居りますが、私はもうそんな事に遠慮しては居られないのです、恐らく日比谷公園の音楽堂のステージに立っても、私はもう大きい声であなたに問を発するでしょう。駒鳥さん、あなたはどうなさる積りです。尤もこう申したからと言って、是非私と結婚して下さいと言うのではありません、――それが出来れば、この上の幸福は無いのですが、今の場合、とてもそれは望めそうもありません」

「マアマア、そんなお話は、いずれ又の時になすったら如何です」

高木博士は立ち上って宥めようとしましたが、思い詰めた若い激情家は、なかなか言うことを聴きません。

「どうぞ放って置いて下さい、私は友人達を代表して、駒鳥さんの態度を確かめる為にやって来たのです。