轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

むだい(さん)

無題(三)

宮本 百合子

「宮本百合子全集 第十八巻」新日本出版社、1981(昭和56)年5月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,759 字 · 4 页

青空文庫

魂と魂との愛が深くなればなる程、その魂を宿す身を求めずには居られない。

或時には、情慾だと思って、自分で恥じるほど激しい思慕が、身と魂を、白熱して燃え上って来るのである。そう云う時、彼女は、只出来得る限りの謙譲で、そのたい風の過ぎ去るのを待つよりほか仕方がなかった。しっかりとくんだ手を胸の上にのせて、汗ばんだ額を仰向けながら、自分達を透して輝く愛の前に跪拝してしまうのである。

そういう激しい亢奮が、生理的に彼女を刺戟するときでも、彼女は決して、具体的な対象を彼以外に求めようという気さえもなかった。

自分の持つ愛が際大な、運命と直接なものであればある程命の、本能的な純潔さの希望が、彼女を支配する。これは、真個に愛すこと、この事と同時に起る保守であるようにさえ見える。

愛する、生命と共に愛する者によって支えられた恍惚を、同じ程度に於て、如何那なる相手からも、生理的に与えられるという事を思うと、血が凍る。

其は斯ういう事なのだ。

私が仮令えば、愛する良人を持って、その愛に対する本能的な純粋さを持ち、希望し、勿論そのために総ての誘惑は可抗的なものであっても、若し泥棒や何かに強姦されでもした場合、単に生理的にでも、同じような亢奮を感じるものと仮定すると、如何に其を自然だとは云え、淋しい気がする、というのである。