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むだい(きゅう)
無題(九)
宮本 百合子
「宮本百合子全集 第十八巻」新日本出版社、1981(昭和56)年5月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 1,500 字 · 4 页
m、金を惜しくなって来た。それを、そうスラリと云わずに
「温室のことで怒ったりしては 彼の意志に反する」とか、又このようなカラミでやる。
つまり石井をことわったらしい。
○mが彼というとき、聞くものは体のどこかを突かれたような感じをうけ、いやで毒々しく感じた。英男とはまるで内容の違う彼 母流の彼(いやみな)を感じ、はずかしかった。
○その午後 バスケットに入れて 猫を貰って来た。
「幸福なところへ行くんだ」
ところが、逃げ出し いくらまってもかえって来ない。
「困ったね」
キク「本当に、お話も出来ませんね」
夜仕事をしていると「ハナレ」
「一寸お話がございますから」と来る。
「猫のことだがね、私の家には猫を飼わないよ、お前の家なら御勝手だが……」
「逃げちゃった」
「逃げたでいいならかまわないがね……」
「それから その机の上を片づけて、テーブルかけを出しておくれ」
何故そのテーブルかけがいるのかわけがわからない。
「今徹夜する程いそがしいのだから、二三日してすっかりかたづけましょう」
今机がいるのではないらしいから
「――私はもう行くよ」
「それなら尚問題ない」
「ああ、私が居なくなればいつも問題はないよ」