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ばくやくのはなかご
爆薬の花籠
海野 十三
「少女倶楽部」1940(昭和15)年6月~1941(昭和16)年6月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 101,908 字 · 204 页
もちろん、房枝のこともいった。
「奥さん。それはそうでしょうけれど、早くこの車へお乗りになった方がいいですよ。第一、泥がお顔にまではねかかっていて、たいへんなことになっていますよ」
「あら、まあ。そうですか」
夫人は、あわてて顔をおさえた。
「さあさあお早く、こっちへお乗りください。それじゃみっともなくて、白昼歩けませんぞ。鼻緒の切れた草履なんか、どうでもいいじゃありませんか」
この帆村探偵は、少々らんぼうなことをいう。夫人は、見知らぬ少女の好意を無にして、ここを去るのは気が進まなかった。が帆村は、一切そんなことをおかまいなしに、とうとう、夫人を引張りあげるようにして車にのせると、運転手にいそがせて、そのまま大森にある博士邸へ、車を走らせたのであった。
花環と花籠
極東薬品工業前の空地に、蓆をつくって小屋がけして新興ミマツ曲馬団の更生興行は、意外にも、たいへんな人気をよんで、場内は毎日われるような盛況であった。
団員は、だれもかれも、えびすさまのように、大にこにこであった。中でも、新団長の黒川のよろこびは、ひと通りではなかった。
「おい、お前たち二人でこれからすぐに、電灯会社へいってこい。