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ばくやくのはなかご
爆薬の花籠
海野 十三
「少女倶楽部」1940(昭和15)年6月~1941(昭和16)年6月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 101,908 字 · 204 页
房枝は、その夜は、警察署の保護室ですごした。
その翌日となって、房枝は、警察署を出ていいことになった。そのとき、ミマツ曲馬団の生き残り組の中に入っていたスミ枝も、一しょに出ることを許された。
スミ枝は、署の外に出ると、房枝のそばにすがりつかんばかりにして、一時もはなれようとはしなかった。
「房枝さん、どうぞ、あたしを残していってしまわないでよ、ねえ」
「大丈夫よ。これから、一しょに働き口をさがしましょうよ」
「ほんとう? うれしいわ、あたし」
と、スミ枝は、またつよく房枝の腕にすがりついて、
「ああ房枝さん。あたしの持っているこの包の中にね、あなたの持物も、すこしばかり入っているのよ」
「あら、そう」
「うちの曲馬団の向かいに、大きな工場があるでしょう」
「ええ、あるわ」
「あそこの工場の中へ、曲馬団の衣裳や道具なんかが、ばらばらと落ちたんですって、あたしあの翌朝、浅草の小母さんところを早く出て、曲馬団へかけつけたんだけれど、工場の前でうろうろしていると、工場の守衛さんが、あたしのことをおぼえていて、こっちに、お前のところのものがたくさん落ちてきたよといって見せてくれたのよ。