轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

はちゅうかんじけん

爬虫館事件

海野 十三

「新青年」1932(昭和7)年10月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 18,914 字 · 38 页

青空文庫

しかし此のまんまるく太った子供の相撲取のような男の顔を見ていると、彼が悪事を企図むような種類の人間だとは思えなくなった。帆村は勢い率直な質問をこの男に向ってする勇気を得たのだった。

「北外さん、私は園長の身体が、この調餌室か、それとも隣りの爬虫館かで、料理されちまったように思うのですがね」

「はァはァ」北外は小さい口を勢一杯に開けて、わざとらしく駭いた。「いやそれは大発見ですな」

「貴方は園長が失踪された朝の、十一時二十分頃から正午まで何処に居られましたか」

「僕が有力なる容疑者というお見立ですな」北外はニヤリと笑った。「さてお尋ねの時間に於ては、この室内に僕一人が残っていた――とこう申上げると、貴方は喜ばれるのでしょうが、実はその時間フルに、一族郎党ここに控えていたんです。それというのが、十一時四十分頃に、けだものの弁当の材料が届くことになっていまして、室からズラかることが出来ないのです」

「それでは其の時間前後は、何をしておいででした?」

「先ず時間前は、当日も六人の畜養員が、庖丁を研いだり、籠を明けたり、これでなかなか忙しく立ち働きました。そのうちにいつもの時間になると、トラックに満載された材料がドッと搬ばれて来ます。