轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ぎゅうにゅうとうま
牛乳と馬
豊島 与志雄
「思索」1949(昭和24)年11月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,248 字 · 25 页
お姉さまがまた、小野田さんの来かたが遅いのを気になさってる御様子なので、わたしは、遅くなってもきっといらっしゃると断言して、もし違ったら大雷を鳴らしてみせると言った。わたしは前日に小野田さんのところへ行ったことを黙っていたのである。別に隠すつもりはなかったけれど、すっかり思惑ちがいになったことが、自分ながら惨めだったのだ。
お姉さまはじっとわたしの顔を見ていらしたが、ふいに、雷が鳴るまでここから発つのはやめたいと、子供のようなことをお言いなさる。この頃ちっとも雷が鳴らなかった。もし雷が鳴ったら、秋子さん、庭の木に落してね、と真面目にお言いなさる。雷が落ちた跡には穴があいて、穴の底に美しい珠が残っている、とそこまでは昔噺だが、その珠を見つければわたくしの病気も直るけれど、珠を見つけなければこの病気はとても直らぬ、などと、それが冗談らしくもないのである。
それからどういう話の続きか、わたしが席を立ってる間に、お母さまとお姉さまとは、小野田さんの馬はもと軍馬だったかどうかと、つまらぬことを長々と話しあっていらした。お母さまは、軍馬ではないだろうと仰言る。