轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

いぬのはじまり

犬のはじまり

宮本 百合子

「宮本百合子全集 第十八巻」新日本出版社、1981(昭和56)年5月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 3,886 字 · 8 页

青空文庫

母は性来余り動物好きではなかったし、父は、全然無頓着な方であった。後年、鴨、鳩、鶏がかなり大仕掛けに飼養された前後にも、猫と犬とは、私共の家庭に、一種の侵入者としての関係しか持たなかった。

私は、猫の美と性格のある面白さを認めはするが、好きになれない。子供のうちからこれは変らない傾向の一つである。

猫の、いやに軟い跫音のない動作と、ニャーと小鼻に皺をよせるように赤い口を開いて鳴きよる様子が、陰性で、ぞっとするのである。

飼うのなら犬が慾しいと思ったのは、もう余程以前からのことだ。結婚後、散歩の道づれに困ることを知ってその心持は倍した。然し、貧学者の生活で住む家は小さいから、到底純種の犬を、品よく飼うことなどは出来ない。切角飼うのに犬にも不自由をさせ、此方も苦労を増すのは詰らないと、本郷に居た時は勿論、青山に移ってからも、半ば断念して居た。時々新聞でよい番犬の広告を見たり、犬好きの従弟の話をきいたりすると、それでも種々の空想が湧いた。一匹欲しいと思う。自分が飼ったら、注意深く放任して、決していやにこまちゃくれた芸は仕込むまいと云う私の持論を喋ることもあった。