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きょうさいかていえんまんじゅつ
猿々合戦
小野 佐世男
小野佐世男『猿々合戦』。同一底本的分册已合并为一书。收入:恐妻家庭円満術、花模様女剣戟、幽霊、私の洋画経歴、エキゾチックな港街、ジャズ狂時代、ストリップ修学旅行。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 29,526 字 · 61 页
ラキ子さんが、そんなチャンスを見て行きたいと思っているのでしょうと僕の顔をねめつけた。ゴメンなさい。
「それにまちがって刀のきっさきにさされた時の防備にもなるのです」
そして笑う筑波さんの後の壁には刀剣が数十本、道中ざし、陣太刀、侍の大小、思い思いの風格のあるさやにおさまって綺麗に飾られてある。気がついて広い楽屋の中を見廻すとあちらの壁こちらの壁いたるところ、刀、十手、槍のたぐいが飾られてあるのではありませんか。
「それですね。あの舞台で観客の血をわかす刀は」
「そうです、一つお眼にかけましょう」
若いしゅうが五、六本刀をはずして私達の前に置きました。
「ぬいて御覧あそばせ」
僕もラキ子さんもこわごわ手にするとその重いこと、
「それは本身の鉄です。こちらがジュラルミン、そこにあるのが樫の身に銀箔を張ったものです。なかなか種類がございましょう」
どれも、これも、その光はそこびかりがして、何か人の血をすうようなけはいがするではありませんか。
「その木の身の奴は軽くってあつかいよいのですが、やはり本身のものはずっしりと、腕にこたえて調子がようございます。そちらのジュラルミンは御覧の通りまるで魚の歯のように、はこぼれがしているでしょう。