轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

11 一九四四年(昭和十九年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 174,521 字 · 344 页

青空文庫

ツワイクは一九一四年頃の「三人の巨匠」のドストイェフスキー論の発端にそのことを云って居ります。ワイルドがかなくそになってしまった辛酸の中で、ドストイェフスキーは宝石に自分を鍛えた、と。そう云いつつ、ツワイク自身、自分の流謫を支え切れなかったのは、何と哀れでしょう。それに、そういう芸術家にとって真に自分を見出させる流謫の形が、決してチャンネル・アイランドとか、雪の野とかきまっていないのも、何と味あることでしょうね。ただ多くの場合、その境遇の真価を理解するだけ、自分の生涯というものの意味、存在の意味について考えつめられず、目前の暮しに視点をたぶらかされるから、徒に、不遇的焦慮に費されてしまうのでしょう。

「九十三年」でもう一つ大いに面白かったのは、ユーゴーらしい自信をもって、ダントン、ロベスピエール、マラーの大議論を描き出していることです。これは勿論非常に単純化されて表現されているし、原則というものに立っての理論の通った論議ではありませんが(時代の性格として)三人の人となりと、当時の有様がよく想像されます。マラーという男は、私なんかのように浅薄な知識しかなかったものには、冷厳極る流血鬼のようにしか考えられませんでしたが、決してそういう人物ではなく、三人のうちでは清廉な人間であり、政治家であったのね。