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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
11 一九四四年(昭和十九年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 174,521 字 · 344 页
ここで一ヵ月ほど周囲の全くちがった、そして春の早いところで暮すのは、体のためどんなにいいかと楽しみです。それにつれ、昨夜も熟考いたしましたが、この間うちからの話ね、あれは、私が行くときはもってゆかないし、手紙でかいて頂くのもすこし後にしとうございます。五年ぶりですものね、行くのは。友ちゃんには婚礼のとき以来ですし。せめて今後は、お互に気づまりなことなしに一ヵ月のんびりしてみたいと思うこと切です。もうわたしは気づまりなのや、自分が入って行くと何となし話やめるというような空気は沢山だわ。私が行っていて、私のいない折、下でよりより相談、何となし調子が改るというようなのはへこたれです。こんどは、一緒に解決するのはやめましょう、必ず結果は面白くないから。こころもちが。御機嫌伺い、お墓り、わたしも休ませて頂き、それで十分よ。そして、あとから、二ヵ月もして、手紙でお話し下さり次いで私もかきましょう、却って、ずっとその方がさっぱりしていい結果です、それは確。まして無責任に考えているのではないのですから。どうぞこの案に御賛成下さい。それについて、あなたとしてお話になりやすい条件を思いましたから。