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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
12 一九四五年(昭和二十年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 120,583 字 · 240 页
支那と日本とは西欧に対して独特ね。
ふと気づいて書くのをやめ検温しました。疲労熱が出ていたわ。きのうもでした、(大丈夫、じき直りますから)すこし熱っぽいと連想が飛躍して、雑談以外には面白さもない文章が出来ますね、滑走風スピードになって。滑走はやめて夕飯迄横になります。又あしたね。
七月二十七日 十四日に中絶してからきょうまでにもう十三日経ちました。
十四日から十七八日頃まですっかりへたばって殆ど床について居りました。去年二月からの疲れが出たのです。体じゅうの筋肉が痛んで寝床に横になっているのも苦しいというのは生れてはじめての経験でした。松山[自注19]にいらした頃、体がひどく痛むことがおありになったのじゃなかったの? お母さんからそんなお話を伺ったように思います。臥て、転々反側しながら、こんな風に痛かったのだろうと思いました。なかなか楽でないものねえ。さて、市次郎の渋湯には一度入ったきり。たしかにあたたまってようございます。ここの家は、何しろ開成山の家の留守番をしていた間にセイロウまで自分の家へ運んだという連中だもんだから封鎖的で風呂も入りに行きにくいわ妙なものね、脛にきず で妙にするのね、自分から。