轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

12 一九四五年(昭和二十年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 120,583 字 · 240 页

青空文庫

そうなればブランカ恐慌です、御察し下さい。

段々汽車の旅行が困難になりつつあり、其は加速度的傾向です。ブランカにとって長途の旅行はあらゆる事情から困難となります、疎開先についてあれこれと考えて居ります。好都合に近く運びたいと思います、地方半定住のことも、想像していたようにゆきそうもありません。地方的偏見がつよいから、そして混乱期のそういう偏見の結果は計らざる不幸さえ招きますから、東京にいてさえわけの分らない目に遭うものを、そういうあぶなっかしさにあうのは愚劣ですから。暮しかたはむずかしくなりまさりますね。よくよく練って研究の必要があります。それに、本が一層不便になる場合、生きた雰囲気が活溌に送りこまれることは最も必要なことでしょうと思います、そして、そういう生活雰囲気は、同じ小さい空の下で、ましてや歩くのは一本の道と限定されて会う人もとやかくという環境では、極めて流動をかきます、動いてしかも動かない旅行者に近い事情に生活することは大局からよくないでしょう? 補給の上からよくないでしょう? この頃そう考えて来て、しかし乍らここの家もいつまで無事か分らず。