轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
12 一九四五年(昭和二十年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 120,583 字 · 240 页
いくら消そうたって、叶うもんですか」だからね、わたしがおとなりの疎開をよろこぶわけ、おわかりでしょう。もうここの隣組でその家の人がいるところは殆どなくマヒ状態です。ひどいのは家財道具おきっぱなしで人はいません。全く焼けて下さい、という有様です。その間にはさまってブランカ火消しで落命したくはありません。
ここが焼けて、いきなり行くところがなくてはいけないので、中野区鷺の宮三ノ三六近藤方にきめました。うらの近藤さんの老母がそこを退くのです。つい近くにもう一軒疎開手続をした家があって、そこがひろいから近藤さん一家が移る計画ですが、とっちもまだ空いてはいないので(次のドカンボーまでのことでしょうおそらく)一先ず老母の家へ近藤さんが移り、わたし達がやけ出されていったら二つの家の間で割当てて暮すという約束にしました、火にまかれるのが一番こわいわ。荷物をもった人波で動けないうちに、火に囲まれたら最後です。決して決して国民学校の地下へなんかかたまるものではないことね。麦が成熟する時期は郊外も油断なりますまい。
十四日のお手紙、塩の物語[自注9]、感銘深くよみました。