轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

03 一九三六年(昭和十一年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 50,453 字 · 101 页

青空文庫

間に合って居りましょうか。あなたはまだお湯をおつかいになれませんか? 浴びるだけならいいのではないでしょうか。虫にくわれませんか。おや、今涼しい風が入って来た。こういう風をこの封筒に入れてちょっと吹かせてあげとうございます。二階は蒸風呂です。だもんで下にいて、些か能率低下なの。家で夏をすごすのは四年目です。ではどうか御機嫌よく。

[自注7]徳さんもこの暑いのに可哀そうに――坂井徳三がプロレタリア文化運動のため検挙されて未決にいた。

[自注8]健坊――佐多稲子の長男健造。

[自注9]山崎さんの伯父上――顕治の母の兄。

八月九日 〔市ヶ谷刑務所の顕治宛 駒込林町より(封書)〕

八月三日、午後十一時頃、第五信

きょうは久しぶりの涼しい日でした。この二階はひどく西日がさして眩しいので、疲れてこまっているので、たまにこうして雨が降ると私はホッとして、ああたすかったと思います。同時にこの点でだけはすこしあなたの利害とちがっていると苦笑するの。きょうは眼鏡をとりかえることをやりました。慶応に入院していた間に眼の検査をしてもらったところ、私の眼は右と左とで大変度がちがっているので、今かけている眼鏡より度はちがえられないが、瞳孔距離がちがうというので処方を書いて貰っていた、それをやっとこのごろ、今日、なおしに出かけたのです。