轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

03 一九三六年(昭和十一年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 50,453 字 · 101 页

青空文庫

そのことが私を深く感動させます。父は仕事を愛していた。よく食堂のテーブルのところで方眼紙(?)のノートを出していろいろプランを描いて居りました。尤も父の持っていたスタイルは私の好みとは大変異っていましたが。そして、私にのこされた愛情のこもった遺物[自注18]は、私の家を建ててくれると云ってよろこんで楽しそうに十ばかりのいろんな小さい家のプランを書いた二枚のホーガン紙です。一番気に入っていたのに赤インクで(1)とノートがあり、そこには私の部屋のほかにもう一つの部屋があって、スペーア・ルーム or・mと書いてあります。私は自分があすこにいた時又父がなくなったとき、そういう家が実際に建ったりしないで何とよかったろうかと思いました。(プランは昨年五月より少し前に描いたのです)私は自分の体を入れておく場所については、最も単純なのを好くようになりました。元からそうであったが猶そうなったから。いろいろの思い出、伝記、保存しなければならぬ責任、そういうものを欲しません。

(同じ夜)

私は或一人の作家の生涯について二百五十枚ばかりの勉強をするのだと思っていたところ、単に伝記を書く以上の収穫が、現在あることをつよくはっきり感じ出しました。