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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
04 一九三七年(昭和十二年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 112,810 字 · 225 页
すこし彼の作品をよみ、いろいろ感想もあるが、私はふと里見※(「弓+享」、第3水準1-84-22)と比較して見て面白く思いました。※(「弓+享」、第3水準1-84-22)も花柳小説を昔ながらの花柳で描く恐らく最後の作者であろうが、荷風を比べると、その蕩児ぶりがちがう。※(「弓+享」、第3水準1-84-22)が花柳の中に「まごころ」を云々するところが※(「弓+享」、第3水準1-84-22)の持味であったのだが、この発生は何処からでしょう? こういう一つらなりの日本文学の消長を何かしら語るものがあると思う。水上瀧太郎が云っているとおり、「まごころ」も身勝手しごくであるが、粋の要求も身勝手なものですね。
洋画では、特にこれこそというものはなし。中村研一などやはりうまいことはうまい。高間惣一が「日の出に鶴」なんぞかいているし、文部大臣賞を去年貰った男が、いかにも人をくった模倣の露出したコンポジションと不快な色感で通州というのをデカく描いている。私たちのすきであった絵ハガキをお目にかけましょう。
かえりには、『日日』へよって、細君が随筆をかいた稿料をとって、三人で不二家で食事をして、私は現代ドイツ音楽の夕へまわりました。