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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

06 一九三九年(昭和十四年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页

青空文庫

くりかえしよみ、例えば家のことなどについて自分の心持に生じている変化について考え、この数ヵ月のうちに(去年から)こき落された贅物のこと、或程度まで贅物がなくなって、そのレベルではじめてああ、と心から納得されるものの生じていることを深く感じます。

勝気さのこと、非常に私の生活にあっては、いろいろの混りものがあり得るわけです。ここにとりあげられているペニイのことね、あれなんか私はアラそうかしらの程度で、そうお? というように、半分冗談の種に云っていた自分の心持でした。それがあなたにこういう場合の例としてあげられることとして、印象を与えているということ。そういうことについても考えます。私の小さい我を粉砕し、又その現象的なあらわれであるそんな勝気さについても爆撃を加えて、よりひろく高い視野にひっぱり出そうとして下さること、ありがたいと思います。〔中略〕

私はこの前の前の手紙(二十二日)で、自分のよい勝気さと俗っぽいものとの混り合いについての反省にふれていたと思います。勝気というもののあぶなさは、現実に無内容であっても、その自覚感情としては在り得るという点です。