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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
06 一九三九年(昭和十四年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页
これは但し図書館仕事ですが。
「風と共に去りぬ」いかがでしたか。お読みになりましたか。「ミケルアンジェロ」ついでのときお送り下さい。
片山敏彦(ロマン・ロランの研究者)が『都』に書いていた感想の最後は、今日求められているのは精神の建設であるとして、アランの「負いがたきを負うのが精神である」という文句をひき、ヨーロッパでリルケや何かが再びよまれているのもその点にあると云って居り、現象主義以上のものを熱望している感情は、今日の数多い心の要求を反映して居ます。しかし、リルケがゴールであるところ、そこね。何故人間の叡智とでも云うようなものは、いろんな袋小路やあいまいなかげやに、身をよせたがるのでしょうね。複雑極まっての単純な光の、透明な美しさは、透明すぎるのでしょうか。生理的にまだそういう未開さが細胞にあるかと思うようです、折々は。限度が小さくて、低くすぎる。自分をつきはなして見れば勿論その埒外にいると云えたものではありませんけれども。願望としても、ね。
こういういろんなことを考えると、勉強したくなりますね。
きょうは、夜新交響楽団の音楽をききに寿江子と出かけます。