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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

06 一九三九年(昭和十四年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页

青空文庫

あなたがうちの人たちについて、やさしく常にお考えになるわけね。お父さんとお母さんとについて、変らざるねぎらいをお持ちになっているわけですね、実にわかりました。島田の人々を益※(二の字点、1-2-22)わかることで、深く気の合うところがあることで、私のましなところが豊かにされてゆく、そういう人間関係はありがたいことね。

隆ちゃんと皆がとった写真、この手紙と同時にお送りいたします。裏へ「弟隆治渡支記念写真」と書きましたから、どうぞ。左のひとは今何という名か一寸思い出せない。あの島田のうちのとなりの馬車をひいている物知り癖のひとの息子さんという人です。横になっていらっしゃるのに、さっぱりしない気温でよくないこと。風の音をきいていらっしゃる、眼が見えます。

五月十四日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(はがき)〕

梅雨のさきぶれのようなお天気です。御気分いかがでしょう。夜着只今出来て来ました。十九日の金曜日に持って参りますから、どうかそちらの方そのようお手配下さい。

私のくたびれ大分直りましたから御安心下さい。手紙は別に。

五月十四日

五月十五日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕