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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
06 一九三九年(昭和十四年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页
くたびれて早く横になっていたら寿江子が来て、泊りましたから、ゆうべはのうのうとして眠りました。きょうはこれから、これを出しがてら、一つ電報をナゴヤの帝大へ送ります、何の間違いか感想のようなものと思っていて、ゆうべよく手紙よんだら短篇です、それではきょう中には駄目ですから。いろいろの大学が何となし地方色や特長をもっているのを見くらべるのは興味があります。先方とすれば一本の糸が私につながっているぎりですが、私の方から見れば、すこし大きく云えば日本中だから。
阿部知二は法政の教師ですが、『中公』にオックスフォードの十二人の学生が、「われは戦うか?」という題でそれぞれ執筆した論文集について感想をかき、マアその感想は小説「幸福」に類似の迷路ばりですが、その中に自分の接触した学生で上流の学生は時局認識がうすいというようなことを云い、オックスフォードのお歴々の息子たちが、それぞれ自分の現実の問題として「ウッド・アイ・ファイト?」という問いに答えていることをのべて居ります。自分の現実の問題というところへ、考えの重点をおくよう、云って居て、それはそれだけ見て当っていますが、抑※(二の字点、1-2-22)この自分というものが、実に多面な困難にぶつかっているわけですから。