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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
06 一九三九年(昭和十四年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页
私にいつ手紙かいて下すったかしら。てっちゃんの話をきいてやきもちをやくわけでもありませんですが。
では月曜日に。
きょうは曇天のくせにむします。優しくピム、パムをその胸の下に。
九月二十五日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕
九月二十五日 第八十九信
このお手紙はいかにも同じ区内に暮しているらしくつきましたね。ありがとう。手紙の番号とりちがえたりして、いかにも眼玉キョロキョロをあらわしていると笑いました。きっとあなたもそうお思いになったのでしょうと思って。これは、ですから九十から逆戻りして正しい番号へついているわけです。九十が二つは変だからこの次はいきなり九十一にいたしましょう。どうぞそのおつもりで。
夜ふかしになり易い危険があるのは全くです。いつでもそうね。だから、時々ホラホラと云って下すって丁度いいのでしょう。ユリが、もうそういう努力はおやめだと放ってしまったりしないことさえ十分わかっていて下さればいいのですから。健康のためには全く十一時までの就眠は大したものです、それに眼のことがあって。私は夜のよみかきは心持は悪くないが、この頃のように電力が低下していると、益※(二の字点、1-2-22)眼をつからしますから。