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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
06 一九三九年(昭和十四年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页
ココノトコロハ三拝九拝シテアル部分
以上のような有様。今日からうんと出来るだけ早く、九時台にねます。又二十日前後から九時のうちにねることは出来にくくなるから。
それでも、この程度で小説一つ、例のつづき。出来上ったのは25枚でしたが、はじめ四十枚もかいて、すっかり技術上の問題で書き直し、若い婦人のためのもの三十五枚ほどかいたのは落第の成績ではないでしょう。
「一日から十日休んで、あたり前さ」と、却ってにらまれるでしょうか。このブランクは十七日前後までに、追いつけ、追いこせでやるのです。
稲ちゃんは今箱根の湯本温泉へものをかきに行って居ります。大変珍しく、新鮮な心持でいるらしい手紙です。何しろ毎日が毎日だから、たまにはいいでしょう。一日じゅうの時間が気がつかずにすぎるときがない、とびっくりしている。これは私と逆ね。気がつかずすぎる時間が欲しいと思うのと。いろいろの境遇は面白いと思います。いつか書いた『文芸』の小説の話、あれで、却ってあのひとは河の中流へ舟を出した様で、ようございました。
私の連載のものはやはりつづくのだそうです。だから来月二十枚ぐらいのせます。