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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

06 一九三九年(昭和十四年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页

青空文庫

でとった自分の写真につける文章をかいたりこまこましたものをかたづけます。そして、又図書館仕事がはじまりますから、私はもしかしたら明朝一寸そちらへゆきます。いろいろと返事を申しあげなければならないことがありますから。というわけ。それに防空演習で月曜日ごろは出にくいでしょうから。

うちは、ふぢ江という派出婦のひと、久しぶりで気軽く立ち居するひとと暮して、気分すがすがしいようです。おミヤさんというひとは全く独特なひとでしたから。わるい人ではないが。本当に独特で、私はいつも疳の虫を奥歯でかみしめていたような気分でしたから、マアすこしの間吻っとします。それでも、こういう派出のひとは短期であっちこっち歩いて、そのうちの生活に心を入れず、やることだけやってケロリとしている風だから、きっとすこし永くいると自分で飽きるような傾向があるでしょうね。そういう風に見えます。それでも前便でかいた通り、私を使うような勝った気のひとではないからようございます。私のつもりでは正月の中旬ごろまでいて貰うつもりですが。もちろんそれ前に誰か見つかれば申し分はありませんですが。十月二十一日から十一月二十一日で一ヵ月、一月中旬までは二ヵ月とすこしだが、それまで飽きずにいるかどうか。