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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

06 一九三九年(昭和十四年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页

青空文庫

却ってこんな形で出るバローメータアがあればようございます。私は体の右がよくないのね。眼の度も右がひどいし。

けれどもこの間『新潮』でとった写真届きましたが、なかなかちっとやそっとで参らなそうな様子です。カゲは到って濃いから御安心下さい。それは気持よい写真だからやきましして貰って一枚おめにかけましょう。私のはいつも皆と一緒で、そういうときの顔は又そういうときの表情ですから。誰かを愉快にしてやりたいと骨を折っているのでもないし。その写真をとったときは、そちらに行って、かえって横になって、いろいろの感じに浸っているうちすこし眠って、おきて間もなくのところでした。御覧になればその感じ、きっと分ると思います。わたしのお歳暮にいたしましょうか。ユリがこんな写真をよこすのならと、良人たるあなたは大いに気をよくなさるところがあっていいと思います。

さて、てっちゃん十五日に立ちますそうです。私は十三日の月曜日に(大体)行って、島田へのおみやげをことづけます。又中村のマンジュウです。いいでしょう? お気に入りですから。どっさりあげます。野原へも分けるのだから。少しかないと舌がかゆいでしょう。