轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

06 一九三九年(昭和十四年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页

青空文庫

それからKとしては、多賀ちゃんにそれから会いもせず音信もないから、そちらの気持が分らず、そのことについては何も云えないと云い、お母様としては勿論御反対です。光井の方では何だかちっとも深い心持のこととして扱っていないで、多賀ちゃんの気をまぎらそうとばかり考えている風です。二十日に上京いたしますって。やはり。多賀ちゃんはよろこんでいるし、お母さまも小母さまも皆賛成。但、それは多賀ちゃんの眼の上にあるホクロをとるという目的で。一ヵ月いる由。「気の楽な宿で治せて」云々と小母さま書いていらっしゃる。こういう無邪気さは笑うけれど腹も立つわね、正直なところ。多賀ちゃん自身の気持はまさかそれだけではないでしょうけれど。

多賀ちゃんの心持がどうか分らないが、こちらへもあまり長くいないのがいいでしょう。一ヵ月というのならば、それでよろしいでしょう。

お母さんは様々のことが重っていて、(事故の訴訟で四百五十円とか請求がある由)少し気分がくしゃくしゃしているが元気と云っておよこしになりました。それだから慰問袋をあげようと思ってね。何およろこびかしらといろいろ考えた末、福袋のようなものさしあげます。