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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
06 一九三九年(昭和十四年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页
半年かかると、傷をいたわり、腹もちが何となく気がかりということを、すっかり忘れ得るそうだということを云ったつもりでした。やっぱり手術のとき、腸をひっぱったりいろいろやるから、何だか腹の中がもめた感じで、毛細管が鬱血してでもいるような腹もちのわるさであったわけです。この四五日おなかがしまって来たことがはっきり分って、大変快適です。私の体は神経質なところのあるたちだそうです。そのために、そういういろんな点がきついのだそうです。今そちらへは行きだけ拾って居ります。調子がいいところで気をつけようと思って。でももう十日には行きも歩きましょう。その計画です。今月一杯間をおいて出かけ、来月は冷えることもずっと減りますから従前どおりに段々戻るつもりです。
家のこと。さがして見ましょう。九月ごろ空くようになるだろうという家は、特に寿江子が一緒に暮すために好条件であったので、私一人のためには、家主が友人の親戚に当るという便利しかないわけです。尤も、これがなかなか大事ですが。実際借りるとなると。女主人のところは二の足をふみ、又その他等々で厄介な場合が多いが。寿江子はいろいろ話し合いの結果、一緒に暮すのはしばらく保留。