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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
06 一九三九年(昭和十四年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页
寿江子は林町の離れに生活するという計画に決定しました。もしお久君がいなくなった後、二人でやって行く場合、寿江子の体の工合が果して二人でやってゆけるだけ丈夫になっているかどうかわからず、この秋から一年も林町の離れでやって見れば大体疲労の程度もわかるから、それからにしたいというわけです。私もごく毎日を無駄なく暮したいのに、寿江子のむくれ面で気をつかうのはいやですから、それもよかろうということにしました。ですから家は私とひさとの暮しを条件として探すわけです。
エハガキ、面白いでしょう? 絵はいいところがありますね、一目瞭然で。今、あの茶の間の外の小庭の眺めをかいています。それと門のところの眺めと。その二枚が揃うと、随分われらの家が視覚化されるわけです。手紙の中で語られる様々の情景が、はっきりしたそれぞれの場面となって、道具立てをもってそちらにも浮立ちます。私はそれを大変たのしみにしています。ハハム、ユリがここで悄気ているな、ホホウ、こんな庭を向いて気焔をあげるのか。それぞれに面白いではないの。
私の手紙は二日(十一信)四日(十二信)という工合です。
○富雄さんから返事がけさ来ました。