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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
06 一九三九年(昭和十四年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 374,755 字 · 745 页
本当に面会、手紙、用事の統一と系統化は大事です、よく心がけましょう。事務的性能の向上ということについての注意は、どうも随分くりかえされなければならないところです。父のお得意の言葉にシステムということがありました。何でもシステムを立ててやらなくちゃいけない。そういう。そして、食堂なんかで、手紙の封を切る鋏が見当らなかったりすると、ホラ、システムはどうした! と云うの。そうすると、みんなが、ソラ、システムがなくなった、と云ってワアワア笑いながらさがすの。カラーのボタンを父が一寸見えなくして葭江見なかったかなどときくと、母は実にうれしそうな眼付をして、あなたのシステムはどうしましたって云う。何しろ私はシステムというと思わず皆が爆笑するようなところで育ったのですものね(!)全く大笑いです。そして私は、あなたが、システムをなくしたところをつかまえてあげることが出来なくて何と残念でしょう。私ばかりがなくしているのはまことに遺憾です。
○おことづけの弁護士のことすこしわかりました、十日に。おめにかかって申します。
十三日の欲しいものについて。私の上げたいものは、たっぷりとそちらからも頂く二つのもののほかには、あのエハガキ連作でした。