轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

10 一九四三年(昭和十八年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 215,557 字 · 426 页

青空文庫

内外の紛糾ときがたいから、わが身一つとなったわけでしょう。大したつよ気かもしれないわ。だから、わたしは安心して、その人のやりかたにまかせ、自分はせっせと勉強いたします。

寿江子が船橋あたりに別居します。小さい一軒をもって。今年中に何とか形をつけるよう国男との間に話があった由で、わたしがきいた家がうまくものになりそうなのです。今一軒もつことは大した仕事ですが、寿は、その方がさっぱり暮せると思っているし、うちの連中は業を煮やしていて、すこし苦労して見れば、その手前勝手は直るだろう、という考えです。

どちらも、大人子供よ。実に大人子供よ。寿の方は、大人子供のまま、ひねこびて、術策があるから、それのない側が絶えず不快がり、それを感じつつ変な押しで通して来ているから、寿の、わるい社交性みたいなもの、空々しさ、全く悲しいものです。こんなに急速に変るなんて。今は実に消耗的なのね、戦で死ぬ、負傷する、そういうのばかりか、こうして、直接には苦痛を蒙らないように見える部分が、ひどい質の変化を経過いたします。

Sの方も大した状態です。いつぞや私が思わず、あなたにまで毒気を吹きかけてしまった状態は、根本的には改善されていません。