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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
10 一九四三年(昭和十八年)
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 215,557 字 · 426 页
四月〓日でも片はじから書いてしま〔数字不明〕小説のテーマなんかずっと心に〔数字不明〕毎日それについて考えているのはたのしみです。
〔二、三字不明〕云ったことは何か新鮮なものを自分のなかに生んでいて、それは生活環境が目白とちがうことと結びついて、やっぱり一つの新しい面を自分のうちにひらきつつあるのを感じます。
四月十日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(京都三千院の写真絵はがき)〕
ふと思い出してかきます。着物のこと栄さんでわかるようにしておくというのは、もしここが灰になって私は役に立たなくなったとき、当座たのめるようにしておくということで、今から日常的に助けて貰うというのではありませんからお送りかえしのものはここへ願います。念のために。寿江子が何だか混同したように云っていたから。
四月十四日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(中村彝筆「エロシェンコ像」の絵はがき)〕
今朝は何とこころもちのよい目ざめだったでしょう。湯上りのようでした。思っていたあなたのお顔と一寸見ちがえるようにかっちりと厚みが出ていらして本当にうれしゅうございました、よかったわね。