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たまむしのおばさん
玉虫のおばさん
小川 未明
「せうがく三年生」1936(昭和11)年11月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 2,466 字 · 5 页
春子さんが、受け取ってみると、それは、美しい、紅ざらを見るように、濃い紫のぴかぴかとした羽を持った玉虫の死骸でありました。
「まあ、玉虫って、こんなにきれいなもの?」と、はじめて、玉虫を見た春子さんは、それに見とれていました。
「ええ、そうよ。黄金虫だから、たんすに入れてしまっておくと、縁起がいいと、お母さんがおっしゃってよ。」と、久代さんがいいました。
春子さんは、そのとき見せてもらった、玉虫の美しさをお家へ帰っても、忘れることができませんでした。
「誠さん、玉虫を見たことがあって?」と、春子さんは、弟の誠さんに、ききました。毎日ちょうや、とんぼを捕りに歩いているので、虫のことなら、あるいは、知っているかもしれないと思われたからです。
「ああ知ってるよ。今度捕まえたら姉さんに持ってきてあげようか。」と、誠さんはいいました。
「どこに、玉虫はいるの?」と、春子さんは、ききました。
「それは、めったにいないけれど見つけたら、持ってきてあげようね。」と、誠さんは、答えました。
春子さんは、どんなにそれが楽しみだったかしれません。そうしたら、久代さんに、自分のを見せてあげようと思いました。