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げんだいにんじゅつでん
現代忍術伝
「講談倶楽部 第一巻第八号~第二巻第三号」1949(昭和24)年8月1日~1950(昭和25)年3月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 76,446 字 · 155 页
「イヤ、それはイカン。身代金というものは神示によって告げられたもので、神の御心である。神の御心であるから、俗界と違って、ビタ一文、まけるわけには参らぬ。左様な不敬は相成らぬぞ」
「それはもう重々心得ておりますが、俗に無い袖はふれぬ、と申しまして、神界と俗界の結びつきは、まことに、むつかしゅうございますな」
「しかし正宗には当方も困却しているぞ。匆々に身代金をたずさえて引きとってくれなければ、当方も迷惑である」
「ハハア。例の寝小便ですな」
「イヤ、そのような生易しいものではない。正宗が神の術を使いよるので、こまる」
「神の術と申しますと?」
「魂を抜きよるので困っておる」
「なるほど。魂がモヌケのカラというわけですな。抜いてやりたくても、アトがないというわけで。なるほど、神様もお困りでしょう」
「そうではないぞ。正宗が人の魂をぬきよるのじゃ。若い者も、ミコも、みんな抜かれよる。よう抜かれるので、気味がわるい。参籠の信徒も抜かれる。神様の魂もぬいてくれるぞと喚きおってダダをこねよるから、これには閉口いたしておる」
サルトルがおどろいたのはムリがない。
内務大臣は眉間に憂いをたたえて、心の晴れない様子である。