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げんだいにんじゅつでん
現代忍術伝
「講談倶楽部 第一巻第八号~第二巻第三号」1949(昭和24)年8月1日~1950(昭和25)年3月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 76,446 字 · 155 页
ようやく気がついた様子で、
「もうよい。かえれ。また、ぬいてやる」
うるさそうに、こう言って、追い返してしまった。絶対の王者とはこのことであろう。白衣の男は這いながら、呻きつゞけて、消え去った。
菊松の手ぶりのどこに魔力がこもっているのか、サルトルには見当がつかない。菊松もサルトルの存在などは問題にしていない様子である。サルトルは霊界に無縁の俗物というわけかも知れない。
「エエ、失礼でざんすが、天草商事の正宗菊松常務でざんすか」
サルトルは小腰をかゞめて挨拶した。神様の両眼がギロリと青い炎をふいて光った。
「天草商事だと?」
「ハッ。イヤ。アタクシは天草商事の者ではございません。石川組のサルトル・サスケと申します青二才で。お見知りおきの程、ねがいあげます」
「キサマ、なんの用できたか」
「ハッ。社長の命によりましてな。実は、御存知かと思いますが、石川組の社長はマニ教の大の信者でありまして、当神殿に参籠のみぎりコチラサンをお見かけ致したと申しております。それでまア、正宗常務ともあろう御方がカンキンのウキメを見ておられるのはお気の毒であるから、アタクシに命じまして、アタクシは目下、天草商事と掛け合いまして、コチラサンの救出運動につとめております。