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げんだいにんじゅつでん

現代忍術伝

坂口 安吾

「講談倶楽部 第一巻第八号~第二巻第三号」1949(昭和24)年8月1日~1950(昭和25)年3月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 76,446 字 · 155 页

青空文庫

翌日。

二人は正午かっきり、小田原の天草商事の別荘へつく。

こちらは、天草商事の面々。

才蔵にみちびかれて、三羽烏が山林の奥へと、さまよっている。

「オイ。シッカリしろ。まだ見当がつかないのか」

「よせやい。いつもと別の方向から忍びこんできたんだもの、カンタンに見当がつかねえや。第一、サルトルを甘く見ちゃ、いけないよ。ツルちゃんを張りこませたって、どうなるものか。埋めかえなら、早いとこ、昨日の昼うちに、やらかしてるよ。アイツのすばやいッたら、ありゃしねえや」

「アッハッハ。ツルちゃんが心配で、目がくらんでやがら。仁丹でも、やろうか」

「よけいなお世話だ」

しかし、さすがに才蔵、目から鼻へぬける才覚、たとえ密林の中でも、一度覚えた目ジルシは忘れない。

「わかったよ。ここだ」

掘ったあとがハッキリして、すぐ分った。

「雲さんよ。ほってくれよ」

「バカにするない。オレは案内人だい。半平、自分で、ほりやがれ」

「ハッハッハ。雲さんゴキゲンナナメだね」

半平、かがみこんで、ほる。

すぐ一枚の板がでた。何か、書いてある。

「アレ。なんだい。これは。ヤヤ!」

半平はガクゼンとして、一同に板を示した。