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げんだいにんじゅつでん

現代忍術伝

坂口 安吾

「講談倶楽部 第一巻第八号~第二巻第三号」1949(昭和24)年8月1日~1950(昭和25)年3月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 76,446 字 · 155 页

青空文庫

オイソレと、とびつきはしない。

それから一週間にわたって、念入りに三人の魂をぬきあげる。しかし、円陣の合唱行列や奏楽が加わったのは、信徒の列に許されたシルシ。

魂のぬかれた状態には一定の目安があるから、経験深い神の使者が度をはかっているのである。

天草次郎の発狂ぶりにホッと気のゆるんだ光秀と半平は、もう自律性を失い、次郎次第、暗示の通りにうごく。

次郎も長々の拷問折檻に衰え果てゝいるから、自分を半狂乱状態にみちびくことはなんでもない。自己催眠自在の境地である。

神様の使者の慎重な試験を滞りなく通過することができた。

大喜びなのは、神様の一族郎党で、大半の信徒を失い、箱根山中にとじこもって、ほかに住むべき屋根の下もないところへ、東京のマンナカへ進出できることにあった。三階建の社屋から、大庭園をそなえた寮から、社長の私宅まで意のままに使用できるし、天草商事の全事業を手に入れて、自由に運営できる。

この建物が全部抵当にはいっており、つめかけてくるのは借金とりばかりとは気がつかない。

三人の魂をぬきあげたりと見すまして、東京遷座の用意にかかる。

サルトル・サスケがやってきて、