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げんだいにんじゅつでん
現代忍術伝
「講談倶楽部 第一巻第八号~第二巻第三号」1949(昭和24)年8月1日~1950(昭和25)年3月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 76,446 字 · 155 页
神の使いは、菊松の両手をつかんで、ズルズルとひきだした。
「コウーラッ」
神の使いは片足で菊松の頭をふみつけ、額をしこたま畳にこすらせた。
「悪うございました。相すみませぬ」
菊松は、とうとう泣きだした。どうして、自分一人が、いじめられなければならないのだろう。彼はこの時ほど痛烈に少年のころを思いだしたことはない。彼は弱虫で、馬鹿正直で、そのくせ、すこし、ずるかった。彼は悪太郎にそゝのかされて、手先に使われるたびに、いつも捕えられて、叱りとばされるのは自分だけであった。自分の子供のようなチンピラ共と同行して、この年になっても、やられるのは自分一人であるとは。
「マニ妙光。マニ妙光。マニ妙光」
洟水があふれてシャクリあげた。シャクリあげる声というものは、この年になっても、ガキのころと同じであった。なんたる宿命であるか。恐怖にふるえた。
神の使者は恭順を見とゞけて、ようやく踏みつけた足を放した。
「神様がお立ちになるぞウ」
ダダダ、ダダダ、という激しい跫音が部屋の八方に荒れくるったが、それは、一人の男が八方に走り狂って足を踏む音である。それに合わせて、
「マニ妙光。