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げんだいにんじゅつでん
現代忍術伝
「講談倶楽部 第一巻第八号~第二巻第三号」1949(昭和24)年8月1日~1950(昭和25)年3月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 76,446 字 · 155 页
だから、覚悟をきめて、やってくれたまえね」
水際立った説得ぶり。恋の口説に限って、こういかないのが残念である。
虫も殺さぬ顔立だが、根は冒険心旺盛なるツル子、こう言われて、それではということになった。
サルトルを寮へ招待する。寮といっても、誰が住むわけでもない。富豪の邸宅を買いとって、秘密の接待に使用するだけの隠れ家である。
主人側は重役三羽烏に才蔵とツル子。
その他選りぬきの婦人社員大勢。団子山という相撲上りの大男がネジ鉢巻で料理をつくっている。
ムリにもサルトルを酔いつぶそうというのだから、ジンだ、アブサンだ、沖縄産アワモリだと強烈なアルコールを用意する。接待係りの婦人社員連、本当の目当は知らないが、サルトルを酔いつぶす目標だけは教えられて知っている。
団子山がダイコンおろしで白い物をすっていたが、なめてみて、
「アッ、いけねえ。ベッ、ベッ、ベッ」
「アラ、どうしたの」
「どうもこうもあるもんか。こんな小便くさい催眠薬があるもんか」
「これ、催眠薬なの」
「アドルムてんだよ。ちかごろ文士が中毒を起していやがる奴よ。よッぽどヒデエ薬らしいが、こんなクサイ薬をのむとは文士てえ奴は物の味のわからねえ野郎どもだ。