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げんだいにほんのしそうたいりつ

現代日本の思想対立

戸坂 潤

「現代日本の思想対立」今日の問題社、1936(昭和11)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 125,540 字 · 245 页

青空文庫

六月二十日の総務会に於て、「自分は、いわゆる重臣ブロックの持つ萎微退嬰の消極的指導方針は国運の進展を阻害しわが党の積極的方針とは背馳するものがあるから、かくの如き指導精神は打破しなければならぬものと、かねがね信じている」と言明したのである。

かねがねとは政権が眼の前を素通りし始めて以来のことだろうか、流石に総務会では之に対して「慎重考究しよう」の程度を以て臨むことにしたらしい。――鈴木総裁が重臣ブロック排撃に重大意義を認めたのは、云うまでもなく重臣が大体機関説の大反対者ではなくて、大体リベラリストであることを、偶々思い出したからである。之で見ると鈴木総裁も案外耄碌してはいなかったらしい。

尤も重臣と云っても、元老とは別だから、自然と、西園寺公は除外される。そして重臣とは斎藤、高橋の諸重臣等(?)をも含むのだそうである。で、ウッカリ政友会を止めたりなどすると忽ち重臣にされて了うかも知れない。「不健全」財政を唱えなかったり、兵農両全主義を唱えなかったりする老人達は、忽ち重臣ブロックに追い込まれて、機関説擁護者にされて了うのである。――だから国体明徴の政友会に対するために、重臣達は一つのブロックを造ったというわけである。