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げんだいにほんのしそうたいりつ

現代日本の思想対立

戸坂 潤

「現代日本の思想対立」今日の問題社、1936(昭和11)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 125,540 字 · 245 页

青空文庫

慶応大学医学部では海軍将校を招聘して毒ガス講座を設けることにしたが、確かに国防があまりに強調されると、ますます国防が本当に必要になるだろう。――ところが他方、問題が国防である以上、軍縮会議対策が精神作興の最も重大な槓桿の一つにならねばならぬのは当然の理だろう。

国民精神というものは今や、反比率主義や総トン数主義を指すことになる、民間著名の有志が集って「次期軍縮会議研究会」を設置し、その第一回の研究会がすでに四月に行なわれた。その研究の結果が国民精神に一致したかどうかは判らないが、とに角この対軍縮会議の大方針によって、今まで人もあまり知らなかったような国民精神団体が、一度に顔を揃えて立ち現われたということは、この際意味のないことではない。いわく「愛国労兵隊」、「大同連盟」、「勤王連盟」、「大日本倶楽部」、「白血球連盟」、「愛国社同盟」、「皇道大本」、「碧色同盟」、「青年日本同盟」、「愛国青年同盟」その他の麗わしい名前の諸団体。いずれもワシントン条約の即時廃棄を断行せよということで立ち現われたのである。日本国民精神が如何にワシントン条約廃棄そのものであるかを、読者は注意すべきだ。