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げんだいにほんのしそうたいりつ

現代日本の思想対立

戸坂 潤

「現代日本の思想対立」今日の問題社、1936(昭和11)年12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 125,540 字 · 245 页

青空文庫

なるものが開かれ、全市郷軍代表一五〇〇名来賓三〇〇名からの出席があった。尤も最初からこの東京に於ける大会を開催しようと準備中の処、三日の国体明徴の声明に接したので、一部には大会開催の必要はないという軟論が台頭したそうだが、併し結局、政府の声明に依って飽くまで国体明徴の実現を計らねばならぬ、ということに議論が落ちつき、名称も「機関説排撃臨時大会」というのを止めて「国体明徴臨時大会」というのに改めたのだそうだ。――熊本では政府攻撃を宣明したが、東京では政府の声明に依ってやって行こうという。熊本では「憤懣に堪えない」処を、東京では大会を止めようという軟論さえ出る。多分田舎と東京との違いだろう。

さて二十七日の帝国在郷軍人会の大会では、機関説という妄説が軍人の信念と相容れないことを明らかにしたばかりではなく、同時に国防観念を強調することを忘れなかった。そればかりではなく、選挙に関する会員の自覚まで促すことにしたのである。

云うまでもなく、機関説排撃と国防と選挙との三つの問題の間には、原則上大きい距離があるのであるが、それがどういう根拠からか知らないが同時に決意の宣明となって現われているのである。